最近見直されている「空き家対策特別措置法」の改正。お盆休みに家族が集まる8月だからこそ。相続した家の処分を考える際のポイント
この記事の結論
- 改正で「管理不全空き家」が新設され、倒壊危険のある特定空き家まで至らなくても、適切な管理がなければ指導や勧告の対象になりうる。
- 行政の指導に従わないと、固定資産税の住宅用地特例が解除され、税負担が跳ね上がるケースも想定される。
- 売る・貸す・活用の判断は市場評価と家族の優先順位から行い、まずは実家の状態と固定資産税を書き出す。
「実家を相続したけれど、どう扱えばいいのか分からない」「空き家にしておくのは不安だけれど、すぐに売るべきか迷う」。そんなご相談をいただく機会が最近増えています。特に、空き家対策特別措置法の改正によって、管理が行き届いていない家への風当たりが強くなっていることも、皆さんの不安を後押ししているのかもしれません。大切な思い出が詰まった場所だからこそ、焦って決めるのではなく、まずは制度のポイントを整理して、ご家族にとって無理のない選択肢を見つけていきましょう。
「管理不全空き家」という新しい区分と、所有者が負う責任
今回の法改正で特に注目されているのが、「管理不全空き家」という新しい区分が設けられたことです。これまでは、倒壊の危険があるような「特定空き家」に指定されると固定資産税の優遇措置が受けられなくなるという仕組みでしたが、今回の改正では、そこまで至らなくても「適切な管理が行われていない」と判断されれば、指導や勧告の対象となる可能性が出てきました。
具体的には、窓が割れたまま放置されていたり、庭木が伸び放題で近隣に迷惑をかけていたりといった状態が該当します。行政からの指導に従わない場合、固定資産税の住宅用地特例が解除され、税負担が跳ね上がるケースも想定されます。「まだ大丈夫」と先送りにしているうちに、気づかないうちに管理責任が重くなっていることがあるのです。
「売る」か「貸す」か、それとも「活用」か。判断の基準を整理する
実家をどうするか決める際、まずはその物件が「市場でどう評価されるか」を知ることから始まります。不動産のプロとしてお伝えしたいのは、すべての家が売れるわけではないという現実と、一方で「貸す」という選択肢が意外な価値を生む可能性もあるということです。
- 立地や建物の状態を確認する:建物の劣化状況をインスペクションなどで客観的に把握し、修繕して住めるのか、あるいは解体して土地として売るのが現実的なのかを判断します。
- 賃貸需要を調べてみる:もし売却が難しいエリアであっても、賃貸住宅としての需要があるかもしれません。管理を委託することで、所有し続けながら収益を得る方法もあります。
大切なのは、今の建物を「資産」として見るのか、それとも「思い出の場所」として残すのか、家族の中で優先順位をはっきりさせることです。
「空き家」の整理は、家族の未来を話し合うきっかけに
空き家対策特別措置法の改正は、決して所有者を追い詰めるためのものではなく、地域全体の安全と住環境を守るためのものです。しかし、法律のルールに振り回されて、家族の大切な資産を慌てて手放してしまうのは少し寂しいことですよね。
まずは、実家が現在どのような状態にあるのか、固定資産税はいくらかかっているのか、といった数字の部分を冷静に書き出してみてください。その上で、将来的に自分たちがその家を使う可能性があるのか、それとも次の世代に負担を残さないために今整理すべきなのかを話し合ってみましょう。家は、どんな形であれ「家族の暮らし」を支えるためのものです。法律の改正を一つのきっかけとして、実家のこれからを家族で前向きに考えてみてはいかがでしょうか。
法律のルールを正しく理解することは、大切な実家を「負の遺産」にしないための第一歩です。まずは現在の実家の状態を客観的に見つめ直すところから、ゆっくりと検討を始めてみてください。
参考に日経マネーの知識もご覧ください。⇩
よくある質問
- 空き家対策特別措置法の改正で、何が変わりましたか?
- 「管理不全空き家」という区分が設けられたことです。これまでは倒壊の危険がある特定空き家に指定されると固定資産税の優遇が受けられなくなる仕組みでしたが、改正後はそこまで至らなくても「適切な管理が行われていない」と判断されれば、指導や勧告の対象となる可能性が出てきました。
- どんな状態が管理不全空き家に該当しますか?
- 窓が割れたまま放置されていたり、庭木が伸び放題で近隣に迷惑をかけていたりといった状態が該当します。「まだ大丈夫」と先送りしているうちに、管理責任が重くなっていることがあります。
- 相続した家は、売る・貸す・活用のどれで判断しますか?
- まず市場でどう評価されるかを知ることが出発点です。劣化状況をインスペクションなどで把握し、修繕して住めるのか解体して土地として売るのかを判断します。売却が難しいエリアでも賃貸需要があれば、管理委託で収益を得る方法もあります。資産として見るか、思い出の場所として残すかの優先順位を家族ではっきりさせることが大切です。
- 処分を考えるとき、まず何をすればよいですか?
- 実家が現在どのような状態か、固定資産税はいくらかかっているかを冷静に書き出します。そのうえで、将来自分たちが使う可能性があるのか、次の世代に負担を残さないために今整理すべきなのかを話し合います。
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